【セッションレポート】AWS コスト管理の最前線(AWS-05) #AWSSummit
こんにちは!AWS事業本部のおつまみです!
本記事は 2024 年 6 月 20 - 21 日の 2 日間開催された AWS Summit Japan 2024 のセッションレポートとなります。
セッション資料
セッション概要
すべてのクラウド財務管理(CFM)サービスを1か所にまとめた新しいコンソール、AWS Billing and Cost Management Console を使って、コスト、アラート、推奨アクションを素早く把握する方法をご紹介します。そして、最新のコストサービスにおける最新Updateを一気にご案内します。AWS Cost Explorer による複数年のトレンド分析や、新しいデータエクスポート機能、それを使ったコストと使用状況レポート(CUR 2.0) とコスト使用状況ダッシュボード (CUD)は、皆様が行なっている AWS のコストレポーティングを大きく前進させると確信しています。正確かつタイムリーなレポートを使って、AWS コストを最適化しましょう!
スピーカー
石王 愛
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 技術支援本部 シニアテクニカルアカウントマネージャー
レベル
Level 200: 初級者向け
アジェンダ
- AWSコスト管理のベストプラクティス
- ユースケースで考えるコスト最適化
- まとめ
本セッションの3行まとめ
- AWSのコスト管理には、CFMフレームワークに基づく可視化、最適化、計画・予測、FinOpsの実践が重要である。
- AWS Cost Explorer、Cost Optimization Hub、Budgetsなどのツールを活用し、コストの把握と削減を行える。
- コスト管理を組織の文化として定着させ、継続的な改善を行うことが重要である。
セッションレポート
Well-Architected Framework コスト最適化の柱について
- コスト最適化は5つの設計原則に従うことでコスト最適化を達成可能である
- クラウド財務管理(CFM)を実装する
- 不要な「使用」を削減する
- ビジネス成果の測定値とデリバリコストを使ってコスト効率性を評価する
- 差別化に繋がらない高負荷の作業に費用をかけるのをやめる
- 費用を分析し帰属関係を明らかにする
- 「クラウド財務管理(CFM)を実装する」ができていれば、残りはおのずと達成できる
CFMについて
- コスト管理の基本的なフレームワークとして、CFM(Cloud Financial Management)の実装が必要
- CFMは、可視化、最適化、計画・予測、FinOpsの実践の4つの柱から成り立っている
- 可視化・最適化・計画予測の1サイクルを回すことをFinOpsの実践と定義している
CFMについては下記ブログもご参考ください。
可視化(基本編)
- ぱぱっとコストを確認したいときは、AWS Cost Explorer(CE)を利用できる
※ 弊社メンバーズのお客様はAWS Cost Explorerはご利用できません。コスト確認はメンバーズポータルサイトからご確認ください。 - 以下の項目でフィルタリングが可能
- 期間・時間粒度
- グルーピング
- フィルタリング
- 集計コスト(コストの表示方法)
- Amazon Q Developer can now help you understand your costs (プレビュー)の利用で、自然言語からフィルタリングを自動で生成もしてくれる
- フィルタリングを利用することでこのようなユースケースに対応可能
- 1ヶ月のサービス全体の利用費
- XX月にどのサービスの利用費が増加したか
- 可視化のためには、タグを使ってリソース管理者を識別することも重要
- コスト配分タグ
- AWSリソースのコストを詳細に追跡することが可能
- どのタグをつけたリソースにいくらコストが掛かっているかの可視化できる
- ルックバック機能で過去のコストを遡れる
- タグ付け漏れを防ぐためには、以下のようなアクションも有用である
- 予防的:SCP、IAMポリシーで適切なタグが付与されるようなガードレールを設定
- 能動的:CloudFormation、Service Catalogで開発時にタグを付与する
- 受動的:Resource Explorer、Tag Editor、Config、Security Hubなどでタグ付けしていないリソースを検知・検索・タグを付与できる
可視化(基本編)まとめ
- まずAWS Cost Explorerでパパッとコストを確認する
- いつ・どの・インスタンスタイプが増えたのかフィルタリングで絞り込む
- タグを使い、どのチームのリソースが増えたのかを絞り込む(コスト配分タグは有効化しておく)
- タグがないものはResource Explorerで検索し、Tag Editorで付与する
可視化(応用編)
- AWS Cost Explorerは、ぱぱっとコスト確認できるメリットの反面、複雑なグルーピングは難しい
- そのような場合はAWS Cost and Usage Reports(CUR)を利用する
- AWS Cost and Usage Reports(CUR)のメリット
- 1時間単位のコストデータが見れる
- リソースIDもわかる
- 各リソースIDのタグ情報もわかる
- S3にCURがダウンロードされるため、AthenaからSQLでレポート作成するのがおすすめ
- CURはレガシーCURではなく、改善されたCUR2.0の利用を推奨
- 可視化には簡単なダッシュボードを作成できるAWS Cost and Usage Dashboard(CUD)も利用可能
- コンソールから数クリックで自動でCURの作成、QuickSightダッシュボードの設定まで行ってくれる
※ QuickSightエンタープライズエディションのサブスクライブ料金がかかるので注意、料金は公式サイトをご確認ください
可視化(応用編)まとめ
- CURでアプリケーションチームごとのEC2一覧を作成しよう
- CURを利用すればリソース単位や時間単位のコストを細かく分析できる
- 簡単にCUDでコストダッシュボードを作成しよう
最適化
- クイックウィン最適化からはじめる
- 主なクイックウィン項目
- 需要に応じたスケジュール
- 利用していない時間帯のインスタンスの停止
- 様々な方法で実装できるが、弊社サービスのOpswitchが簡単でおすすめ
- 未使用リソース停止
- 適切なインスタンススペックの見直し
- 適切なストレージの見直し
- すべてCost Optimization Hubで一度にリコメンデーションを確認可能
- 需要に応じたスケジュール
- 上記のアクションが完了してから、RI/SPの購入を検討する
最適化まとめ
- コスト最適化はクイックウィン最適化から
- 開発インスタンスの夜間・休日停止から始める
- 次にCost Optimization Hubでリコメンデーションを受け取り、最も適切な施策を検討する
- その後、RI/SPの購入を検討する
計画予測
- AWS Budgetsで予算と予算アラートを設定する
※ 弊社メンバーズのお客様はメンバーズポータルサイトから設定できます - AWS Cost Anomaly Detectionで異常検知アラートも設定する - 急激な料金上昇に対応できる
全体まとめ
- 可視化・最適化・計画予測を単発の活動で終わらせるのではなく、組織内にコスト管理の文化を根付かせ、継続的な改善を行っていくことが大切
- まずはコストを確認するところから始めてみよう
感想
本セッションを通して、AWSのコスト管理について体系的に理解することができました!
特に、CFMフレームワークに基づきながらFinOpsを継続的に実践していくことが重要だなと改めて思いました。
私自身、様々なお客様をご支援しているなかで、
「コスト最適化に取り組みたいが何から始めていいかわからない・・」
「コスト管理に課題を感じている」
といった声を多く聞くので、このセッションで初心に立ち返ることができました!
近年クラウド利用が盛んになり、「コストの最適化」は非常に重要なテーマとなっています。
課題を感じている方は一度このセッションを視聴いただくと、良いヒントを得ることができると思います!
最後までお読みいただきありがとうございました!
どなたかのお役に立てれば幸いです。
以上、おつまみ(@AWS11077)でした!